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合成界面活性剤について考えた


若いことが美徳とされる昨今、化粧品から毛髪料、ダイエット、医療に至るまで、自分への締め付けがきつくなってきた今日この頃。 自分ケアを怠けているからか。確かに追われるような毎日で自分への関心が薄れてきている。 気が付くと、既成コスメ製品への依存度がどんどんたかまってきている。はたして自分に合っているのかと疑問を持ちながら、高額商品に賭けてみたりなどする。

同じように安易さや便利さにかまけることが洗剤やシャンプーにも言えないか。 キッチン洗剤や衣料用洗剤、シャンプー、これらが急激に開発されてきた昭和の中ごろ、経済も安定してきて、少しでも便利で安いものへのニーズが高まってきた。 思い起こすと、小学生のはじめ頃、我が家にやっと巻き上げ式脱水ローラーがついた洗濯機が来て、たらいからやっと抜け出した。洗剤も固形石けんだったと思う。 その頃、河川の汚染とか工場排出汚染やら、子供の頃に見た空は光化学スモッグなどで汚れていた。今の中国のようだったかもしれない。 疑うことなく、自ら選んで洗剤類を使ってきたのだが、あまりにも無知だったと知らされたのは最近になってからだ。 以後、製品改良もあって、低刺激だの、無香料だの工夫は見られるのだが、とにかく新しいものは良いものだと信じて疑わなかった。 国が認める原料を使って作っているものに間違いがあるなど考えもしない。 しかし、人体にとってその物質は何年試されてきたのだろうか?安全と言い切れるガイドラインは存在するのか? どれもこれも、ラットに使用し長期間問題ないとする実験がされているのか? 医療に使用される新薬、生産に当たっての農薬などは細心の注意がなされているのだろうけど、化粧品や洗剤など身の回りに、当たり前にあるものはどうなんだろうか? 少しなら大丈夫神話が横行していると感じるのは私だけ? 毎日一日に何度も使うものもある、歯磨き粉や洗顔料、台所洗剤などなど。 最近になってやたら環境汚染対策がなされているが、ゴミ問題の歴史にも、分別からダイオキシンなどの有害物質はやっと研究が進んで判ってきた所で、その昔は全くなされていなかったこと。 経済成長の発展とともに研究されてきた化学物質。40年という長いスパンで使用してきて、何の問題も起きないはずがないのでは?

私、美容師になり37年、当たり前に使ってきた薬剤、時代とともに進化しコールドパーマ薬剤もアンモニア臭も少なくなったりヘアカラー剤も刺激の少ないものが増えてきた。 お客様に、かぶれなど起こさないように細心の注意を払って、問診し、場合によってはパッチテストを行い、執術してきた。 美容学校時代に習ってきた薬剤や化粧品の香粧品学、皮膚科学、化学、公衆衛生、美容理論など専門的なことは勿論、中学時代に習ってきた化学の授業、振り返り日々格闘している。 新しいものが出れば、裏書をみて、図書館で調べることもあった。 一つ一つの化学式などわからないが、これを使えば人体にどんな作用が起こる可能性が少しでもあるのでは?と、そんな疑問とずっと戦ってきたような気がする。

そんな中で、ここ数年、抜け毛に悩まされていた。 もともと多いほうではないが、極端な脱毛でない限り、しばらくは自分の方法でやってみる。 シャンプー変えてみる?ブラッシングをする?毎日洗う?洗わない?と。 あまり変化はなかった。 毎日お客様のシャンプーや家事など過酷な条件でも、手荒れは殆どなかった。 乾燥で悩むこともなく、産後40歳くらいまでは老化を感じなかった。 しかも、なぜか、いまだに白髪は一本もない。 DNA?両親とも、薄毛の家系ではないし・・・。

合成界面活性剤? 家庭用洗剤でも手荒れすることがなかった私には、そこに行き着くまでにだいぶかかった。 図書館に通い、ネットであれこれ検索してみると「けい皮毒」と言う言葉があった。 そういえば、合成界面活性剤って、お互いの表面を活性化して混ざり合うようにする製剤だっけ。 水と油を混ぜ合わせると二層に分離される、それぞれの分子を混ぜ合わせるために界面活性剤を使うのだが、化粧品の乳液などは油と水が界面活性剤で分離融合され、白濁しゲル化しクリーム状に粘度質となる。 つまり表面張力を弱める作用のことだ。マヨネーズを思って欲しい、界面活性剤に当たるのは黄卵。 黄卵の持つ、親水、親油性が酢と油を混ぜ合わせる。 裏表記の乳化剤といわれるもので、実際には、安定させるためのものなど多くの化学物質も含まれる。 これらの化学的要素が含まれる合成界面活性剤は肌から浸透して、害をもたらすことは判っており、石けんと比べるとはるかに浸透率が高い。 これらの物質が多く河川に流されれば、生態系の崩壊が起こり、工業施設付近での公害人体への影響、奇形など様々な環境崩壊に繋がる。 合成界面活性剤は海の奥底まで到達し生態系を壊すが、石けんは24時間で水になる。 石けんもアルカリ性で、界面活性剤には違いないが、合成洗剤などに比べればはるかに環境にも肌にも優しい。

本来、人の皮膚は、表面から表皮、真皮、皮下組織で形成され、表皮の基底層で新陳代謝が繰り返され、新しい角質層が約一ヶ月かかって生まれ変わる。 角質にはケラチン、セラミドという脂質があり、バリアとなって肌を守っている。 しかし、強力な合成界面活性剤によって、そのバリアが少しずつ侵食され浸透していくのだ。 アレルギー症状が出るまでアルゲンが蓄積され続け、コップの水が溢れるように発症するのだそうだ。 コップの大きさは人それぞれで、なんの反応も起こさない人もいるが、ある日突然アトピーを起こしたり、化粧品にかぶれたりするわけなのだ。 赤ちゃんのアトピーなどは母体内の羊水から吸収された物質からと見られてるという。

人体に有害なものは地球にも有害なはずだ。 毎日出しているごみ問題も、便利さにかまけて消費しているもの全てが環境破壊という未来に帰ってくるのだ。

少しでも減らすことができればと思う。

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